[アクアリウム]水槽の水質を酸性にするメリットとその方法について

2019年2月19日

今回はアクアリウムにおいて水槽の水質を酸性にした場合のメリット・デメリットと酸性にするための方法をご紹介します。

もちろん、アルカリ性にすることにもメリットはあるのですが、ここでは酸性のみに絞って書いていきます。

酸性水槽について

水質が酸性寄りの水槽は一般的に硬度が低く、また自然界に存在する川の水も熱帯雨林の河川など、熱帯魚が生息する箇所ほど酸性寄りの水質が多い傾向にあります。

そのような酸性の水質にはアクアリウムを楽しむ上で多くのメリットと、少しのデメリットがあるのでご紹介します。

酸性水槽のメリット

まずはメリットです。

野生の熱帯魚がすむ環境が酸性のため、その恩恵も大きいです。

水草が育ちやすい

中には水質を問わない水草もありますが、水草の大半は弱酸性の環境を好みます

特にレイアウトを重視し、綺麗な色に育てたい場合は弱酸性の環境であることが欠かせないので、まずは環境つくりが第一指標となってきます。

スネールが育ちにくい

酸性の水質はスネールの殻を形成する主成分のカルシウムを溶かし結合するため、スネールの成長を妨害する役割があります。

外観を損ない爆発的に繁殖するスネールを抑えられる点も酸性の強みだと思います。

殺菌作用がある

酸性化では微生物や菌類の動きは低下するといわれています。

様々な熱帯魚の病気を予防することも出来ますね。

アンモニアと中和する

アンモニアはアルカリ性を示す魚にとっては猛毒の物質で、糞や食べ残しから発生します。

酸性化ではアンモニアは中和され、比較的無害な”塩”になります。

酸性水槽のデメリット

様々な点で恩恵を受けられる酸性水槽ですが、デメリットも存在します。

濾過バクテリアの活動を鈍らせる

あまりに酸性に傾きすぎると、殺菌作用がバクテリアにも働いて活動を鈍らせてしまいます。

バクテリアには先ほど紹介したアンモニアを亜硝酸へと分解する役割があるのでバクテリアが存在しないことによるアンモニア中毒の危険性を引き起こしてしまいます。

水槽にもよりますが、弱酸性のpH6.0辺りを目処にしましょう。

飼育用の貝には向かない

先ほどメリットのところにスネールの対策になると書きましたが、観賞用に貝を飼育する場合はその貝の成長も抑えてしまうことになるため向きません。

貝をメインで育成したい場合はアルカリ性の環境を整えましょう。

酸性水槽にするには

水質を酸性に傾けるにはいくつかの方法があります。

それぞれに必要なグッズや機材と共にご紹介します。

ソイルを使う

水槽の底砂としてソイルを用いると一般的に水質は酸性に傾く傾向にあります。

ソイルには大きく分けて2種類あり、吸着系ソイルではアンモニアなどアルカリ性の養分を吸収する役割があり、栄養素系ソイルでは逆にアンモニアを放出することもあるようです。

酸性水槽を目指すなら、吸着系ソイルを選びましょう。

二酸化炭素を添加する

二酸化炭素は水に溶けると酸性を示すことはご存知かとおもいます。

植物の成長にも二酸化炭素は欠かせないため、慣れてきたら添加をしてみると面白いかもしれませんね。

二酸化炭素を水槽内に溶かすには大きく分けて二通りあり、一つはタブレットを用いる方法です

こちらの方法は手軽に入れることが出来ますが、使い捨てのため取り出す作業や買い続ける作業がかかり、継続的な費用が発生するといったデメリットもあります。

また、空気量が少なく、昼夜関係なしに二酸化炭素を放出してしまう点もデメリットにはなります。

もう一つが外部にボンベを設置し、ホース経由で二酸化炭素を水槽内に送り込む方法です。

こちらは初期の機材こそ高いものの、二酸化炭素の量も多く、自分で調整できるため昼夜で強弱を変えることが可能なのでパフォーマンスの面で魅力的です。

継続費用に関してはボンベが消耗品のため、タブレット型とあまり変わりません。

pH降下剤を使う

pH降下剤を使うと一瞬で水槽を酸性に変えることが出来ます。科学の力ってすげー

ただ、少量でも一気にpHが下がってしまい、熱帯魚達にpHショックと呼ばれる負担を与えてしまうこともあるので限られた使用量を守って使用しましょう。

流木や葉などの腐食酸を用いる

流木や葉に含まれるフルボ酸と呼ばれる酸を用いて酸性に傾ける方法もあります。

これらを入れると水が茶色くにごることもありますが、それは俗に言われるブラックウォーターと呼ばれるもので鑑賞面では少し嫌われますが、熱帯魚達には恩恵が大きくなります。

まとめ

水槽を酸性にしたときのメリットやデメリットと、酸性にするための方法をざっと紹介しました。

次回はアルカリ性の場合のメリットデメリット等を書いていこうと思います。